社員紹介STAFF

2009年入社技術創造センタ ソリューション技術部

※職種内容をご紹介することを優先し、当該社員はキャリア入社者ではありません。

OSS(オムロン)に入社した理由を教えてください

大学では情報工学を専攻しており、自分の技術をコンシューマ向けではない、隠れて世の中を支えるような社会インフラ系で活かせないかと考えていたので、オムロンは希望通りの就職先でした。

現在担当しているのはどのような仕事ですか

車両検知センサの技術開発を行い、製品化につなげるプロジェクトです。この車両検知センサでは、過去にオムロンで扱ったことのない原理のセンサを用います。海外の展示会でこの技術を知り、日本でも自動運転社会のためのインフラとして活用できないかということを考え、プロジェクトをスタートさせました。

自動運転に関するセンサといえば、車に搭載して、衝突回避やルート計算に利用するイメージがありますが、インフラ側からも、交差点での車の状況を把握して、車両に伝えることも重要となります。今回開発したセンサでは、交差点のどこに、いつ、車が来たかを検知し、システムの上位に伝え信号を制御したり、ビルの陰に車がいることを他の車に伝えたりすることによって、スムーズな自動運転社会の形成に貢献できるのではないかと考えたのです。

ただ、OSSでは知見の少ない技術課題が多かったので、少しでも知識を持つ人に質問しながら、チーム一人ひとりの情報を寄せ合いながらの技術開発でした。多くの苦労がありましたが、それ以上に新しい技術にふれる喜び、技術が形になっていく喜びがありました。

仕事で苦労した事、困難だった事はありますか

車両検知センサのプロジェクトで特に大きな課題だったのが、センサの精度、電池の寿命です。精度の点では、特定の車両を検知しにくいという問題が生じ、改善を重ねたものの、すべての車を検知できると断言できる要素がなかったので、事業所構内の多くの社員の車や、近くのレンタカー店の車を利用して実験をしました。猛暑の中、一台一台をセンサの上に移動させて確認することでようやく自信を持って検知できると断言できるようになりました。このような泥臭い取り組みも時には必要です。

完全にワイヤレスなセンサとすることを想定しているため、電池を長持ちさせるための設計にも苦労しました。通信やセンシングの量を少なくして省電力化をはかるというのは、これまでにトライしたことのない技術でした。これらは技術開発の苦しみである一方、楽しさでもあると感じています。

今年度からチームリーダーになり、チーム内の複数のテーマを見る立場になりました。メンバーには知識豊富な先輩もいるので、さまざまなことを教えてもらいながら、リーダーとしてチームをまとめていくことについて、自分なりのコミュニケーションの方法を模索しているところです。今、心がけているのは、メンバーの話を聞くということ。それは今まで自分が上司や先輩にしてもらってきたことでもあります。メンバーの悩みに少しアドバイスした結果、前を向いてゴールに向かっているのを見ると、嬉しさと同時に自分も成長させてもらえたと感じます。

働くやりがいや楽しさを感じられるのはどんな時ですか

自分が見つけてきた技術をスタートに、技術開発の段階を踏んでいくことで、技術が商品に近づいていく実感を得た時はやりがいや喜びを感じます。

世の中にはたくさんのセンサがあり、さまざまなものが高い精度で測定できるようになりました。しかしOSSのセンサは、屋外などの厳しい条件下で使われることが多いので、太陽光が直接当たって測定できない時間帯が出たり、同じセンサでも場所よって全然違う結果が出たり、想像もしなかったようなことが起こる場合があります。私は、そういった予想外の出来事を乗り越えることこそが面白いと感じています。実際の現場で失敗と成功を繰り返す、それが仕事の醍醐味だと思っています。

職場の雰囲気や働きやすさについてどう思いますか

現在開発中の車両検知センサの技術を見つけてきた時のように、海外の展示会に行くことは大変勉強になります。海外へ情報収集に行きたいという希望が比較的通りやすい雰囲気がOSSにはあります。日本のセンサ技術が進んでいるのは確かですが、海外には、日本の厳しい基準に縛られず、まったく違う観点で技術的に面白いチャレンジをしているものもたくさんあります。そんな世界を知ることは、技術者にとって、とても大切なことだと思っています。

今後仕事をしていく上で成し遂げたいと考えている事や目標はありますか

今はまず、開発中の車両検知センサを商品として世に送り出すことが第一の目標です。今後も、幅広い技術知識と最新動向を追従することで、OSSで実現できそうな新しい技術を拾い上げ、最終的には商品としてお客様に提供できるよう貢献していきたいと思います。また、チームの一人ひとりが主体的に自分らしさを発揮しながら共通の目標にチャレンジできるように、チームマネジメントのスキルも上げていきたいと考えています。

私が所属する部署は、OSSの中で一番研究に近い部門です。オムロンの技術・知財本部はもちろん、他の企業や、学会とも幅広い情報コネクションがあるので、最新の技術を直に見たりふれたりすることが可能です。強い思いがあれば、チャレンジできる環境があるのがOSSです。やるぞ!という信念のある人と、ぜひ一緒に仕事がしたいと思っています。